わびの芸術
望月信成/創元社/1967年。
侘びとはなにか、という事を語る本。
意外に目から鱗的な感じなので御紹介。
序で著者は言う。
わたしは静かに茶室に坐って、ゆっくり茶を喫することがことのほか好きであるが、現代の茶会のあり方にはいささか辟易するものを感ずる。
多数の人を集め、着物と帯の競争のような雰囲気のなかで、あまり上手でもなく、何の知識もない、美しいだけのお嬢さんのお手前を見せられながら、喫しなければならないお茶ほど、幻滅の悲哀を感ずるものはない。
…別にこんなこと書かなくても侘びについて語れそうなもんだが…よっぽど気に障っていたんだな。
でもこういう言説って、戦前からあって、昭和30年代後半〜昭和40年代前半までぐらいの本にはよく載っていた。
そんでもって最近の本ではあまり見ない。
こういう事を言う人は死に絶えたのか、想定読者のほどんどが「美しいお嬢さん」になってしまったので悪口言うのをやめたのか…商売だしね。
本編は明日から。
23区の開架では品川/三田の図書館。閉架にはそれなりにあるけど。