わびの芸術2 侘びとはなにか

「わび」という言葉は、われわれが深くも考えずに日常何の気なしに使用している。
そして、その「わび」は誰でも、一応おぼろげに頭のなかに一つの概念が浮かび上がり、説明をしてもらわなくても何かわかったものを持っている。
(中略)
さて再びこの「わび」なる言葉の意味を考えてみると、急に何びとも納得の行くほどの的確な解釈ができないことに気がつくであろう。

確かに。

ある器物を見て、それが「侘びているか/いないか」を判断できるのは、侘びに関する概念が私の中にあるからだろう。

そして、侘びというのはどういう概念か?と聞かれると、大いに困惑してしまう、というのも確か。

著者は侘びについての定義をいろいろ総括した上で言う。

以上の様に言海や言林などの辞典に解釈されている簡単な言葉では「わび」は容易に解することは不可能で、文字通り汲めども尽きない高く深く広い内容が展開されていものである。

侘びという美意識が難しいのは、時代時代の侘び意識のゆらぎが、道具と言う形をもって後の世に伝わるから、かもしれないけどね。