お茶2 袱紗

袱紗に関する故実

寸法 袱紗は和巾又は不洗絹ともいはれ、昔時は大體曲尺九寸六分に九寸三分のものが普通とされてゐたらしいが、果してどうであつたか、當時のものが現存してゐないので確認し難い。

考えてみると、当時の古裂が現存しているのに、袱紗の現物が伝わってないというのは不思議な話である。だってお茶やっていると袱紗って死ぬ程溜っていくものじゃない?なんでかわかんないけど。

不洗絹ってくらいで、洗わないで使い捨てにしていたのかもしれない?

(なぜかく竪横の寸法が異なるの寸法が異なるかといふと眞四角では捌くに際し、横に出る三角形の上下二枚が却つて喰ひ違ひ、疊んで後見惡い結果を持ち來たすからで、多年の經驗がそうすべく教えたのに外ならぬ、かく不揃の寸法にしたことはもと/\茶用具は不偶を尊ぶ故などと説くのは畢竟後から附加した理屈に過ぎないのである。)

縦横不揃いの理由、ずっと判んなかったんだけど、ここで明解に語られてました。


ためしに正方形のハンカチを捌いてみた。

…ちょっとだけ、三角がずれる…気がする。

でもこのくらいの差どうでもいいといえばどうでもいいような…。


あと、捌き方の考察も面白い。

長いので引用は避けるが、右袱紗の古流は右手で抜いて自然にぶら下げて左手で三角を握る様に捌けるが、千家など左袱紗の流派は、左手で抜くので右手に渡さなければいけない。
塵打ちなどで一旦両手で持って広げる所作は、その不自然さの解消であろう、という指摘は「なるほど!」って感じです。