お茶4 香合

いきなりなんですが、利休と言えば香合よりも香炉のイメージ。

利休時代の茶の湯道具中香合は後世ほど重きを置かれなんだのである。

だから利休時代の名物の香合…というのは確かにいまいちぴんとこない。

ちょっと時代が経てば型物香合番付なんかが出たりするわけなんですけどね。

要するに利休及びその前後の時代まで香合にこれ等漆器を主としたことは、陶磁製のものは臺子に傷をつけ易かつたことがその主たる原因をなしてゐたのに相違ないのである。

利休時代に漆器の香合が多いのは、台子に傷を付けない為だった、というのはどうだろう?桃山時代に小さな器で精度の高い蓋物を造れるほど陶芸の能力が無かった、という方がよっぽどありそうだ。

遠州は、汗ばみたる掌に觸れても曇りなく、見る目も涼しき陶磁こそ夏に、取り扱ふ手のうちも冷たからぬ漆器こそ冬に相應しきものといふてゐるし
(中略)
あながち爐には陶磁、風爐には蒔繪その他漆器の香箱とかぎる必要は決して無いのである。

遠州そんな事言ってるのか…。どこでだろう?

でもまぁ、私としてはオールタイム陶磁の香合で行きたい。だって蒔絵や木地の香合っていまいちつまんないんだもん…。