お茶9 建水

近頃古製の佛器を利用するものも見受ける。
年號入りの銅器のそれは實に古香の掬すべきものがあるけれど、佛具を下水容器に用ゐるなどは、あまり推奨し難い好尚ではあるまいか。

実は私も「仏具の建水転用はありだな」と考えていたのだが…駄目かぁ。
仏具の中にはどー見ても、えふご建水にしか見えないものもあるんだけどなぁ。

なほ薄茶で何十人といふほど多數の客を接待するならばとも角、十人以内の客に一點前中、よしやそれが濃茶の後直に薄茶に移るとしても、建水にあけられぬほど多量の濯ぎ湯乃至水を使用することは不用意として耻づべきである。

ううむ。

戦前は十人以上の客に各服点てでお茶を出す事があり得た、ということか?
一人5分で点てても50分かかるぞ?
最初に呑み終えた正客は、大変長い間手持ち豚さんになっちゃうじゃん…。
それ以前に足がもたないよ…。

戦前のお茶は理解しがたい部分があるよな。