實用女子手紙の枝折3 茶を點る時の心得

はしがきにて於て述べた通り茶の湯は厳格なる禮式の一である。其故に茶を點る時には第一に居住が大切である。
先づ姿勢正しく座して顔をしかめたり無暗に話をしたり頭を振たり臂を張たり腹を突き出したり肩を怒らしたり身體をゆがめたり踵で居所を前の方へ押たり様なことは取り分け堅く慎まねはならなぬのである。
兎に角茶の席は静粛と云いことが第一であるから咳拂をしたり鼻をすすつたり鼻息を荒くしたりするかの如きことは實に大の禁物であるのである。

この小冊子の茶の湯の記述、なぜだか禁則が中心な気がする。

利休35の禁忌、みたいに茶の湯には禁忌がいっぱいあるわけだから、これはこれで正しいのかもしんない。

でもこうも立て板に水式に「こうしちゃいけない」を出されてもなぁ。

次に今一つ大切なることは、茶を點る時に茶の服を知ると云ふことである。
服とは喫み加減と云ふことであつて濃すぎず薄からずよき味に點ると云ふことである。

味が二番目かよ!

…ある意味ものすごく正直者かもしんない。