實用女子手紙の枝折5 番外1:手紙

實用女子手紙の枝折、という本は、本来は手紙の文例集である。
茶の湯の手紙についてどう書いてあるかな?と思い探してみた。

残念ながら茶の湯に招く文は入っていなかった。

でも、当時の手紙のレベル感は判ったよ。

◎月觀に招く文

荒たる庭の七草秋知り顔に咲き亂れ候
折からの今宵の月露に宿れる影も床しくかと存ぜられ候
まゝ一寸御覧願はしくお手隙に候はゞ御夕飯前より御入來のほど
待ち上げ申し候かしこ

◎右の挨拶

御庭の秋草定めて美事に笑ひ初め候事と存じ居り候
折からお招に預り嬉ゆふ存じ候
殊に今宵は十三夜の月も清らけくついてはお言葉に
甘えお示しの時刻より推参いたしたく候
まゝ左様御承知下されたく先は取敢ずお受まで申し入れ候かしこ

昔の人はこういう手紙をフツーにやりとりしていたんだろうか?
なんかレベル高い気がする。

まぁ今だって何十年かしたら、「昔の人のメールの顔文字とかって判りづらい」とか思われるのかもしんないけどね。