武者の小路 第3年1号

古本市で戦前の武者小路千家の機関紙「武者の小路」を入手した。

…“の”が入っているんだネ。

昭和13年の正月号である。


渡邊虹衣“時局と茶道に就て”:

茶道即ち茶は閑人の閑作業であると見て居られる結果、今日の如き非常時局に際しましては全く無用の長物であるかのやうにお考へになつて居ります方も少くはないやうでありますが、決して左様ではありません。

内容は省略。でもね、閑人の閑作業が認められない社会はイヤづらよ?


随時物安“名水の話”。

随時物安は「千利休は幹利休のぱくり」説で有名な近重物安のこと。

一つ氣を轉じて名水とは何を指すか、化学者茶人一流の講義を試みやうと思ふ。
(略)
それで美味といふのは何から來るか、是は水中に含有せられたるカルシウム鹽の多少にある。

ヨーロッパで名水といわれる水はだいたい硬度これこれである、でもそれに比べたら日本の水は軟らか過ぎるのではないか?というお話。


でもどーかなー。実際抹茶を点てて美味しい水は硬度の低い水だと思うけど。
カルシウム分が多いと、釜に沈着し釜が白くなると思うし。
ちょっと西洋崇拝が過ぎるのではないかなとおもいます。


んで、一番印象に残ったのは巻末の広告「官休清規」かな。

聿齋翁七拾年餘茶道生活の記録 他流に亙つても詳述を怠らざる名著

むむぅ、これは読みてぇ。