香雪齋蔵品展観図録

昭和9年の藤田家の売り立ての目録である。

A4よりちょっとでっかくて厚さ55mm。ずしりと重い、


分量の半分、前半部分は墨跡/絵賛/絵。

その中でちょっと面白いのは織田道八「指月布袋繪賛」。

有楽斎の長男、“猪熊教利の逃亡を助けた”“戦闘拒否”など、親譲りの?奇行が目立つ感じの織田頼長。彼がこんな立派な布袋の図を書いたんだろうか?なんか不思議。


で、後半は外のお道具。


茶入の筆頭は相坂丸壷(現根津美術館所蔵)。次が柿茶入。

さすがに昭和9年の売り立てあたりになると、藤田家の蔵も水増し感覚かなーという感じがしないでもない。


と思いきや、茶碗は随分とレベル高い。

筆頭が長次郎早舟茶碗。次が柴田井戸である。
前者は畠山美術館。後者は根津美術館でエース級。

逆に言うと、秘蔵の品も売りはじめ?


確かに今でも、藤田美術館では茶碗の方が茶入の展示よりもレベルが高い感じだし、これは藤田コレクションの方向性なのかもね。

各道具の解説もいちいち書いてあって結構面白い…が、手が疲れた。
気が向いたらいずれ解説に関しても書くつもり。