懐中

男の着物と女の着物。

衣紋だとか、おはしょりだとか、身八ツ口だとか、袂と身頃の関係とかいろいろ違いはあるけれど、茶の湯的に意味のある違いは、帯の位置だけだと思う。


茶の湯ではいろいろな物を懐中する。

帛紗に出帛紗、懐紙。点前の状況では仕覆を懐中したりもする。


帯の位置が高い女性は、男性よりも懐中するスペースが狭いのではないかと思うのだが、皆さんきっちり綺麗に懐中されていて、かっこいいな、と思う。

もしかして女性用の懐紙が小さいのは、この懐の大きさの差なのかもしれない。


それに比べ、男性の私は帯の位置が低いので、その分大きな収納スペースがある。

…あるのだが、収納した道具が帯上にせりだして格好悪くなったりするわ、点前の途中で前傾した瞬間に懐中したものがおっこちそうになったりするわと結構ひやひやしながらお点前をしている。

どうもスペースに余裕がある分、緩くなっている気がする。逆に女性の方がうらやましい感じがする。