数寄です!壱
漫画家、山下和美が数寄屋を建てるまでをレポートするエッセイマンガ…の一巻。
…ということは、建てる数寄屋は経費で落ちる、ということじゃろうか?
ま、それはさておき。
懐かしいよな、山下和美。
モーニングの黄金期を支えた一人…の筈なんだが、いまいち細部が思い出せない。
思い出そうとするとなぜかK井K一の顔とかがうかんでしまう。
マンガは、絵のうまさが全てではない、とは良く言うが、実はストーリーすら全てではない。内容がしょーもなくとも、そのドライブ感でわくわくするマンガだってある。
…山下和美にはそういうわくわく感が足りないんだよな。
ま、それもさておき。
ちなみに山下は「和」が好きです
和風ではなく「和」です
から始まる数寄屋作りの冒険。
金策、土地探し、数寄者修行…。ありゃ、1巻じゃ数寄屋の設計にすら行かないんだ。
まぁそれはいいとして。
著者が思っている「和」と「和風」がどういうものかについて説明が一切ない。
「和風」と「和」の差が、著者にとってどんな価値があるのかも説明がない。
それの説明がないと、著者の、数寄に生きようというこだわりがどれくらい強いのか判らない。
そして、こだわりがない数寄道なんて、なんの価値もない。
このマンガの弱さはここに尽きるのではあるまいか。