泥中庵今昔陶話6 仁清の生地生時

仁清の出生地について。

茶道辞典には、野々村仁清丹波野々村出身の、丹波焼の清右衛門が仁和寺に来て京焼を…みたいな話が書いてある。

しかし。

仁清の生れは不明であるが明治十五年ごろ、陶家の内にて有力家の四五人が談合して山城大和近江丹波の地圖をしらべ、丹波に野々村といふ村があるから、之を仁清の出生地として置けば何も故障を唱へる人はないぢやろうとして、丹波國野々村としたのであつた。

蔵六の言う事の裏も取れないけど、通説だって「仁清は仁和寺の清右衛門の略であると言われてきた」「丹波焼の清右衛門についての記録が寺にあった」というだけのことから類推した説であって、いい加減さではどっこいどっこい。

仁清出生地が明治以降いい加減な事で決まったなんて…おもしろいじゃないか。