茶の哲学(陰陽造化の茶の湯)5 七日七夜の密業

この本には石州流不昧派の相伝儀式が書かれているのが珍しい。

五代目家元松平直敬による、田中千子(前章・石州流不昧派系統図参照)ならびに筆者に対しての「七日七夜の密業」が行われたのは昭和十六年晩春であった。
ここでいう密業とは、阿弥陀如来の神力加持のもとに、茶の湯の深密幽玄な秘法真実を、数々の教化と行を通じて密伝する──そういう意味になる。
服装は、男女ともに白衣──清浄無垢を表わす。

密業の間は無言、だそうである。

七日七夜と期が限られるのは、かつて絶対神──ヤハウエ──が七日間で天地創造をししたもうたという故事による。

…なんで石州流にヤハウエ様なんだよ。
あと天地創造は六日だ。


長くなるのでまとめると、七日七夜の密業はこんな時間割である。

第一日 珠光の日 豊受大神への献茶式、「阿弥陀経」の飯食経行
第二日 一切空を観ずる日 空について観ずる
第三日 不昧の日 不昧の心を観ずる
第四日 不休の日 松平直敬の心を観ずる
第五日 不二の日 不二一如を観ずる
第六日 一玄の日 森羅万象同根也
第七日 弥陀浄土の日

初日以外は内容はつまびらかにされていないが、もしやお茶点てるのは初日の献茶だけなのだろうか?

んで、後は「観ずる」とかいう瞑想系の儀式を延々やるって事なのだろうか?


石州流不昧派の相伝儀式、といっても五代が実質的な初代みたいなもんなので、多分これが初めての相伝なのだろう。

四日目あたりですでに代々の儀式にするには破綻が有るような気がするぞ。

無言が強制された儀式で「儂の心を観ぜよ」とか命令されても(ちょ…おっさん何考えてんのん?アホかって言い返したい!でも無言の行だし!)みたいな気持ちになりそうだ。

…なんか順調に無駄な時間が過ごせそうな儀式でやンすね。