懐石料理とお茶の話 八百善主人ものがたり4 古筆放談
正直意外だったのだが、八百善主人のお茶道具に関する見識。
貫之(八六八−九四六)、道風(八九四−九四六)と申す頃に今日の高野切とか、本阿彌切等を書いたとは思えませんね。
…言いにくい事をずばり言うなぁ。
多分、この本の出た頃は死に絶えていたとは思うが、自分の客にも高野切などを持っていた人がいたろうに。
もしこの頃に仮名書があつたとしたら真名(漢字を字音で読ませて言葉の一音一音にあてたもの)の草書体とでも云うものではないでしょうか。
つまり古筆切の貫之筆という中にある自家集切と云つた型式のものですね。
つまり、仮名をすらすらと書いた古筆は、歴史的には新しいものであり、もし貫之筆ならばもっと漢字漢字したごつごつしたものになるという事か。
…それだとなんだかお茶で使いにくいなぁ。