台所
茶室、というものを考えるにおいて、考える要素はそんなに多くない。
- 小間あるいは広間
- くぐり
- 待合
- 腰掛
- 雪隠
- 飾り雪隠
- 水屋
だが、この中に、台所が入る事はあまりない。
古書をひもといても、飾り雪隠のセッティングにエラい分量を割いている割りには、台所に関して記述のあるものはみたことがない。
唯一、佐々木三味の「水屋」に:
このうち茶事では懐石のできる水屋ということが重要な要素となってくる。すなわち膳組はもちろん、調理万端である。
として、水屋が台所を兼ねるべきと書かれているのが例外といっていい。
しかし。
現実にいくつもの茶室を拝見しているが、台所/調理場としての機能までもった水屋はみたことがない。夕佳亭の竃もなんちゃって感アリアリだったし。
お茶室には懐石を出す為の機能が備わっていないといけない。
だって平面図上ではいくら良さげな茶室でも、懐石を運ぶのが大変だとか、冷めちゃうだ
とかでは意味がないと思うんだよね。
いままでの茶室の解説本にはその概念が不足しているんじゃないかろうか?