武野紹鴎研究

戸田勝久/中央公論美術出版/1969年。

紹鴎大好き戸田宗安先生の武野紹鴎に関する研究書。

まずは武野家の歴史。

紹鴎の祖父仲清は、甲斐の武田氏を本宗とし、為信、信清、仲清の三代、同族である若狭の守護武田氏に属してゐた。

若狭武田氏の一族であるという事と、若狭武田氏ゆえに甲斐武田氏の一門である、という事は違うんじゃないかな?

若狭武田氏を甲斐武田氏まで遡るのなら、清和源氏まで遡りゃいいわけだし…。


まぁ、武士を捨て農民→商人と変遷した武野氏だが、最終的には尾張藩に仕官して、武士に復帰する。

そして猶附加するならば、仲國は慶応四年正月、既に隠居の身であつたが、尾藩の勤皇派によつて、佐幕派の巨魁とみなされ、朝命の名のもとに斬死せしめられた。
七十二歳の仲國が、横井也有の嫡裔、時足ら十三名と共に、佐幕に殉じたことで、武門武野家は終焉したのであつた。

武野家が幕末にそういう目にあっているとは知らなんだ。

あれ?じゃぁ現代で武野家の末裔を名乗っている武野宗延って人はどういう繋がりになるのかな?

…まぁ「終焉した」と言っているだけで、断絶したとは言ってないから、ひょっとするとこれでいいのかもしれないが…。