茶道之名人5 本阿弥光悦

光悦のお話。

彼は京都の北、鷹ヶ峰に住み、隠遁的生活を送つた。
(中略)
鷹ヶ峰では、家財道具はすつかり、京の一門に贈り、やつと衣食を支ふべきものを遺し置き、其れで自分は牛に炭薪を負わせて、京都に賣りに行き、下賎の姿に身をおとしつゝ、静かに茶の湯を味つてゐた。
光悦は算盤、秤量などは全く家におかず、算數の事曾つて知らざるを以て恥辱としなかつた、會つて加賀侯からあまたの黄金を頂戴せし時の如きは、其の黄金をいたゞいたのみで、遂に自らをさめなかつたといふ事だ。

町人なのに京の片田舎に領地を貰った人…という扱いじゃないのね。

…この著者どうしても隠遁生活=清貧生活にしないと気が済まないのかなぁ。