燕庵の明るさ

左から待庵二畳、燕庵形式三畳台目、紹鴎四畳半の、窓と照らされる範囲。

燕庵が、圧倒的に窓が多くて明るい事が判る。


実はこの図以上に、待庵と紹鴎四畳半は採光に関する考え方が違っていた。
待庵は庇を深くし、紹鴎四畳半も北向きに作られ、どっちかってーと「あかりをなるべく取り込まない事」というのを意識している様に思える。

それに比べ燕庵は、光を多く取り込もう、という発想の様に思える。


では、燕庵は、どうして「窓が多くできた」のだろうか?


待庵や紹鴎四畳半の床は、勝手/茶道口と違う壁に作られている。

その為、開口部は2方向にしか開けられない。

しかし、燕庵は床を、勝手側の壁面にまとめることで、三方の壁に窓を作れる様にしている。

…燕庵の光の構成を可能にしている床の切り方は本当に凄い、と思う。