上田宗箇流袋棚点前

これだけでご飯三杯いけそうなビデオ。

「宗箇様御聞書」という古文書から復活させたお点前だというが、割とそれはどうでもいーや。ほぼほぼ推測通りの合理的なお点前の手順。ただ、仕舞の時に蓋置を水指前に戻すのだけ意味が判らない。案の定水次の邪魔になっていた。

まぁそれはともかく、お点前がかなり刻銘に映されているのが楽しい。

NHKの人はこれを参考にして今後の「和の極意」を撮ってほしいくらい。
ただし、仕舞の所だけは撮影の角度が後ろ過ぎ、「おっさんの背中を見る会」みたいになったのは少しだけ残念。


面白いのは柄杓の構え方。

ほとんどの流派は、柄杓を前に出して合と向き合う形になる。
だが、上田宗箇流は、全然違う。

柄杓の切り止めを鉛筆の芯とすると、柄杓を(左手で)鉛筆を持つように体側に沿わせて持ち、合を向こうに向ける。
判りにくいが、こうとしか書けない。
馬の手綱を持つ手だとか。


あと、ふくさの捌き方も面白い。

うちの流派では、左腰のふくさを左手で取ったら一旦両手で開き、その後右手だけを離し帛紗を左手から下げる。
そして右手で帛紗を握る。

上田宗箇流は、右腰のふくさを右手で取り、両手で開くというプロセスを排し、いきなり右手で左ひざの外側へぱらりと落とす。そして左手で帛紗を握る。

これはちょっとカッコいいかも。


これらは「上田宗箇流茶の湯 入門編」の本でも同じなので、復元点前でもなんでもない。

会場外のショップで「上田宗箇流茶の湯 入門編」を先に買って喫茶で予習。

その後会場でビデオをみれば、3順くらいこのビデオを見るだけで上田宗箇流のお点前ができそうな感じだ。