宗旦は左利きか?

burieさんの質問への回答、長くなったのでエントリで。


槐記には、千家が左服紗にしていた理由は「宗旦ガ左ナル故」と書いてある。

この「左ナル故」を「宗旦が左利きだったから」と解釈する事もできるが、私は「宗旦が左付けしていたから」と解している。


なぜなら、宗旦が左帛紗にしていた理由が左利きだけが原因、というのにそれほど合理性が感じられないからである。


実際、服紗の座はほとんどの流派で左膝上ではなかろうか。
そして多くの流派が左付けの服紗を左手で取り、左手でぶらさげ、右手で折り畳む。


ぶらさげる処理よりも折り畳む処理の方が複雑なので、右手で畳むのは理にかなっている。
そして最短距離で服紗を左膝上に出す左服紗も理に叶っている。


卑下してやや勝手側で捌く様な服紗を、客側に付ける理由もない。


以上から左服紗にも合理性はあると思う。


あと、もし宗旦が左利きで、皆がお茶を見取りで学んだのなら服紗の付け方以外も左利きの茶になり、右利きには不便でしかたない筈。


ただ、近衛さんが「右服紗が正統」と言っている理由は、書かれていないので全く判らない。

こんなとこかな。


結局「断言するには証拠が不充分」くらいの事なんですけどね。