茶事のお稽古
うちの先生は、いつも本気の人。
茶事のお稽古、というのはしない。
でも、やっぱり先生なので、私達弟子を招いて茶事をする時は、「これはこうするのよ、それはそうはしないのよ」とお教え下さる。
未熟な弟子達は、なんとか先生のお眼鏡に叶おうと頑張る。
頑張るが、なかなかそうも行かない。
…あれってなんか気まずい。
これがお点前の稽古であれば、「通しで一通りやりつつも、うまくいかない所を入念に繰り返す」といったやり方もできるだろう。
でも、茶事はそうもいかない。
汁は冷め、お向こうは乾く。
だから、入念に繰り返すわけにはいかない。
近衛さんの言うようには吟味し続けるわけにはいかない。
先生もどこかの線であきらめるしかないし、弟子も見切り発車なのを感じてしまう。
だから、気まずいのだろうな。
…そういう意味ではお茶事の割稽古みたいなのはあってもいいのかもしれない。