茶道入門2 茶道史概要 茶道の起源

井口海仙の茶道入門の面白い所は、独特の茶道史にある。

それは、その当時信じられていた事を反映したものもあるだろうし、井口海仙の強力なバイアスが掛かった情報操作の結果もあるかもしれない。

此の樣に一般的には茶の飲用が遊戯化されてゐましたが、一方禪門に於きましては、天竜寺の夢窓國師が、筑前崇福寺野什物であります台子を使用しまして、茶禮を初めて行つたと傳へられてゐます。
茶禮は、此の様にして禪門に於きまして始められ、その儀式の一つとして、傳へられて來ましたが、天明十五年、足利義政が東山に慈照寺を(略)

まず、ツッコミ。天明は文明の間違いだろう。天明は江戸時代。田沼意次とかの時代である。


つい最近まで、茶の湯は「金持ちの遊戯」と「禅の茶礼」があって、珠光によって東山文化の流れの中で禅の茶礼から制定されたという歴史観があった。

でも市井の庶民にもお茶があったかもしれない、という事はスルーされてきた。

まぁそれはしかたがないのかもしれない。


でも、金持ちの遊戯に禅がないまじって今の茶の湯が制定された、というこの歴史観

堺の金持ちから興って東山文化の伝承者としてお茶を教える…という、なんか千家に有利な史観になっている気がする。

ちょっと気になる。