お茶のたて方 中立
松平宗圓の「お茶のたて方」。
ひさしぶりに読んでいてちょっと気になる所があった。
客は順々に正客から湯相、火相を見、床の幅を拝見して外へ出て、腰掛けに居て次ぎの案内を待ちます。
亭主は客の出た後で席を掃除し、露地に水を打ち、つくばゐの水を新らしくし、掛物をはづして花を入れ、客を案内します。
普通に考えると露地に水打つのは中立前でなければいけないし、つくばいの水を改めるのは初入後と後入後でなければいけないと思うので、これは書き損ないではないかと思う。
ま、客が腰掛けに居る状態でつくばいの水を改めるのは初入でもするわけだから特に問題はないだろう。だが、露地に水を打つのは少々びっしょり感が拭えないのではなかろうか?
だが、もし書き損ないでなかったら。
半東がいなくて亭主がなんもかんもしなければいけないような状況下であれば、こんな風に一気に事を行って亭主の手間を省く、という意味はあるかもしれない。
石州流不昧派松平宗圓は割と「変なひと」なので、スタンダードなお茶をしないかもしれないしな。
…でもやっぱ筆を滑らせちゃったんだろうなぁ。