『茶道長問織答抄』を読む9 茶杓を渡す
こい茶の時、茶を茶入より茶碗へ入、茶杓茶碗の上ニ渡し置きたるかよし、
茶碗の中へ茶杓入をきても定たる事ハ無之候へとも、おなしくハ上がよく候ハんよし、
濃茶の時、茶を汲んだ後で茶入を扱い直す時、邪魔な茶杓は茶碗の上に置くのがいい。
茶碗の中に突っ込んでもダメってわけでもないけど、やっぱ上の方がいいよね。
…。
現代の我々なら、前者の方法が当り前過ぎて茶碗の中に茶杓突っ込むなんて事、先生に質問しないと思う。
…って事は茶碗の中に茶杓突っ込むやり方が普通にあったのか。
織部の頃にこうなら、利休の頃はたぶんもっとフリーダム。
「利休が点前の無駄を削ぎ落とし現代の茶の湯の原型を作った」なんて言えないかもしれない。