『茶道長問織答抄』を読む10 すすぎ

一 こい茶の後、茶碗ニ茶つき候を、客人湯を入候ても所望候は、おなしくハすゝぎ候て、別ニうすく立候かよき由、
古織、浅但馬守所へ数寄に御出、こい茶の跡へ湯を入のミ候へは、わかき御人におなしくハ不似合候由、以来御のミなきやうに申候へと覚甫ニ御申候由、

濯ぎを飲む、という事を織部は嫌った。かつ、若い人には似合わないと思っていた。

なので、濃茶の濯ぎを所望されたら、濃茶は洗い落として改めて薄茶を点てろ、と言った。


濯ぎを飲む、という風習は江戸初期からあったという事か。

現代よりずっとお茶が貴重なものだった筈なので、わからないでもない。

若い人には似合わない、とかいいながら織部自身の美意識でも耐えられなかった。

60代の織部が、若々しい茶を目指していた、というのも垣間見えて面白いね。