『茶道長問織答抄』を読む 総括
茶道長問織答抄を読んで分かるのは、織部が確固とした好みを持っていたこと。…あたりまえだけど。
ただ、状況として、今みたいな「ある程度お点前に様式がある」世界ではない。
「いろんな適当なお点前が世の中に存在した」中で、「俺はこれが好きだ!」と思っているって感じがする。
で、他人にアドバイスする際には「んー、どっちでもえんじゃね?」みたいな役に立たないアドバイスをしている。
これは今だと考えにくいことだ。
だって、現代のお茶の先生って「うーん、どっちでもえんじゃね?」っていわないじゃん。
「それはこうしなさい」「これは避けなさい」ってきっぱり答え返ってくるじゃん。
「先生がこうだと教えてくれた」と「天下一名人が好きにすればって言った」ではエライ違い。
たぶん、織部は他人それぞれの美意識を尊重していたんだろうな。
…単に他人のことがどーでもよかったという可能性もあるけどね。