茶碗談義

奥田誠一/創藝社/1947年。

東洋陶磁研究所の奥田誠一が戦後書いた茶碗の研究書。

君臺觀左右帳記は「茶碗のもの」と、然らざるものと區別して居る。
一、茶椀物之事。
青磁とはあをきちやわんの名物也
白磁とはしろきちやわんの名物也
(中略)
とあつて別項に、
一、土の物として曜變、油滴、建盞。烏盞。鼈盞。能皮盞。天目。を舉げて居る。
之に依つて見ると、茶椀物とは所謂石燒の事で、陶器の方は土物と云つた樣である。

君台観左右帳記で、茶碗と天目は違うもの/天目は茶碗には含まれない、という指摘はこの頃からあったのか。

だが、磁器=茶碗、という定義だと、その後茶碗という定義は大きくひろがったことになる。
利休の時代を支えた「茶碗」はほぼ土物だもんね。


…でも天目は土物か…そういう感覚ないな〜。