茶道要鑑5 師を選べ

其の良き師を求むると云ふ事は中々困難であつて、初めて習ふものヽ眼には、孰れが可いか不可いかの識別がつかん、只だ茶筅さへ弄くれば點方と思ひ、木を曲げれば生花と思ふて師匠の選擇はせず、隣家の人が習ふから我も習ふといふ、交際稽古では寧ろ習はぬ方が得策である。

本書では、茶の湯のある意味最も難しい部分、師匠選びというのにも言及している。

素人の入門時には師匠のレベルと言うのはさっぱりつかめない、というのは確かに問題だ。

苟しくも師匠といふ名義を有した以上は其道一通りの心得が、無くてはならぬ筈であるに、何を尋ねても不得要領の答辯をし、又モウ少し奥へ行たら解ります、抔と逃げて了ふ、恁ういふ先生に限つて弟子にお金を出させる事にかけては却々巧みである、

きついなぁ。
でもこうやってもったいぶって知識を切り売りするのは山上宗二の時代からの伝統だしな…。

今後此道に入らんとするものは、恁る師匠に籠絡されぬやう注意をし、道を教へるより説く方に熱心な師を選び、而して品行方正にして道徳心に篤い師に就て學んで貰ひたい。

残念ながら問題提起オンリーで、「初心者がどうやって素敵な師匠を探すか」のメソッドの回答になってないなぁ。残念残念。