茶道要鑑8 總論その2

人は何故「今風の形骸化した茶の湯をするのか?」に関し、瑞穂流玉置一成はこう結論する。

然るにこの茶道が何故に虚榮心を高むるの具になつたかと云ふに、茶は高尚なものである、上品なものであると云ふのが普通一般に認むる所である、デあるから此の高尚なものを心得て居るからには、今は恁く勞働はして居つても、素は相當な身分の人であらうと思ふて貰ひたさの、虚榮心よりして下等社會に至るまで茶の湯を玩ぶやうになり、恁く江湖に流行を來たしたのであらうと思ふ、

ハイソの真似をすると自分もハイソ気分…という事だろうか。現代では感じにくい身分意識ってのがベースにある話ね。かなり下卑た話ではある。


んで、玉置一成が自分の立場をどっちに置いてこの発言をしたのか結構気になるんですけど。「下等社会」なんて言ってるからにはハイソの方の自分、ってのがベースなんだろうな。