茶道要鑑10 千金

例之ば千圓の茶碗で飲むのと、拾錢の茶碗で飲むのと、其味に異つた事はない、
千圓の器物といへども、曠は漸く一度にて、二度目からには古臭い、尚一品で千圓の物ありとすれば、萬事萬端それに準じて釣合ふ品を用ゐねばならん、千圓の茶碗に、拾錢の棗では權衡が取れんではないか、

現代だと1圓=1万円で換算するとわかりやすくなる。

一千万円の茶碗で飲むのと、1000円の茶碗で飲むのは味は変わらないし、一千万円の茶碗に1000円の棗では取り合わない。

假りに一品に千圓も掛けるなれば、拾錢の器物でも宜いから、千圓だけ蒐めて置くと、幾度客があつても、目新らしい品で饗應す事が出來る、茶道は決して道具を以て樂むのではない、道を以て樂むのである、

一千万円もあるんなら、1000円の道具を一杯買えば、いつでも目新しい道具をお出しできるではないか。

…。

一万個も安道具持っててもうれしくもなんともないよ〜。
100万の道具10個とか、50万の道具20個とかが妥当な線ではあるまいか。

さすがに極論の為の極論って感じがしなくもないぜ。