茶道客の心得4 煙草と扇子

これまた大寄せの作法。

お點前中は、みだりに話をしてはいけません。客同志勝手な事を話し合つたりすることは、特に氣をつけねばなりません。
又、煙草盆が出てゐましても、お茶が點つ頃までは吸はない方がよろしいし、吸ふ時にも、「お點前中煙草を失禮致します。」と一應主人にことわつた方がよろしい。

大寄せで、お点前中に煙草を吸い始めるなんて今では考えられない。そこまで我慢できないなんて、病院行った方がいいんではないか?

暑いからと云つて扇子を無闇に使ふ事も遠慮した方がよいので、餘程たえられない時には「扇子を失禮します。」と一言ことわります。

扇子を実用に使っていいんだ!これも今では考えられない。

この部分の注釈にこう有る。

この頃は、扇子といへば、風を起すものと考へられてゐますが、昔は、禮儀として持つてゆくのです。それで、夏冬とも持つてゐます。

現代は扇子を礼儀で持つ。つまり、戦前が特段緩い作法になっていたという事を証明してくれているのではないか?

しかし、たいていの場合は、主人の方から「御自由にお煙草を。」とか「暑い折がらですから、扇子をおつかひ下さい。」といふ挨拶がありますから、その時には、不作法にならない程度で、煙草を吸ふなり、扇子を使ふなり致します。

そもそも亭主が普通にOKを出すのか。フリーダムだなー、戦前のお茶。考えられねー。