宗旦聞書4 茶を弄ぶ事3

一、年寄ての茶の湯はいよ/\物事ねばくくどくなき様に所持軽く物すくな成起居すくなき様に何事も行がゝりに手間入らざる様に物を心安くすべし
まして人真似する事人に負けじとする事手にも心にも協はぬ事聊もすべからず
老てはまけるが道理なり其の法をつとむるは若き時のことなり
巧者振りなとすればいよ/\仕そんずるものぞ三べんと事のたらぬ程にするがよし
総じて善をつとめたる茶の湯の者は年寄程物にかまはずとも善にして非義は無きものなり

年寄りの茶の湯は簡単にしなさい。
人に張り合おうとか考えちゃ駄目。
年寄りなんだから負けて当然なの。
うまい振りなんてすればますます失敗するよ。ちょっと下手ぐらいの感じで演出しなよ。
そもそもうまい茶人は年寄り程物に拘らなくてもうまくできちゃうもんなの。


…。

つまりこの宗旦は逆説的に

  1. 年寄りは道具まかせの茶の湯をやりたがるよね
  2. あと負けず嫌いだよね

と言っているわけか。

茶の湯は昔からポトラッチめいた勝負の舞台だったという事ね。