宗旦聞書8 茶を弄ぶ事7

一、侘たるといふ事悪敷心得る人はじだらくなり茶の湯ちいさく成物也
わびたると云は又格別の事なり
茶の湯はいよ/\ならぬ物とぞ

侘びというのを間違って考える人は自堕落になり茶の湯が小さくなる物だ。
侘び茶って云うのは難しいもんなんだぞ。

一、淋たるといふ事悪敷心得たる人は茶の湯別に異風になり賤敷下卑る物ぞ
淋たるといふは格別の事なり

サビという事を間違って考える人は異風になり卑しくなる物だ。
サビって云うのは難しいもんなんだぞ。

…。

侘び寂びが美意識として並列になったのは宗旦の頃よりずっと後ではなかったか。

ま、それはそれとして、侘びも寂びも難しいものとして扱っているのだが、ではこの頃の茶の湯を支配していた美意識ってのはいったいどんなものだったんだろう?