絵巻切断5 貫之の章

戦後の新興宗教?に引き取られて行く絵巻達。

終戦直後の三十六歌仙の動きをたどっていくと、意外な所蔵者が浮かび上がってくる。
(中略)
こうした新興宗教の一つに「世界メシア教」、後の「世界救世教」がある。
その教祖「お光様」こと岡田茂吉が、三十六歌仙の一つ「平兼盛」を手に入れていたのである。
岡田茂吉は明示十五年、東京浅草橋の古道具商の子として生まれたが、
(中略)
こうして莫大な財産を築いた「お光様」岡田茂吉は箱根と熱海に美術館を作り、
(後略)

MOA美術館のおっさんってそもそも生まれから古道具に縁があったわけか…。成金の所業とも言い切れんという事か。成金の所業だけど。

瀬戸内海に浮かぶ生口島に、絢爛豪華な大伽藍がある。
潮声山耕三寺−。西の日光とも呼ばれている。
(中略)
「土産物屋の並んだ道を行けば、すぐわかりますよ」
と、宿のおかみさんに教えられた道を五分ばかり歩くと、土産物屋がとぎれたところに突然、赤、青、白、原色の門が出現した。
「ウヮー、これは…」
私たちは思わず驚きの声を上げていた。

ちょいバッドテイストな寺の雰囲気を余すところ無く伝えてくれる。

大商人たちから宗教家へ。これもまた、日本の歴史なのだろう。