絵巻切断6 家持の章
五島さんや出光さん等、戦後の大金持ちを描いた章。
松下幸之助へのインタビューが凄い。
絵巻に関しては金の事等考えず、勧められたから買ったと言う。
「こういうものは、僕らには値打ちはわからへん。ハハハ…。三十六歌仙、聞いとったからな、一幅手に入ったらええなと思ってたんや。縁のものですな。金だけでは買えんもんや。いくら欲しいても縁がないと買われへん。」
これだけの金持ちにして「縁がないと」と言わせる三十六歌仙。
希少な道具と言うのはそういうものなのかもしれない。
「あのな、今はお金は持てないです。みな税金に吸い上げられてしまう。明治、大正時代、あの時分はね、税金はもちろん取られましたが率は低かったんです。今は会社は大きくなるけどね。個人の金を持つことができまへんな。僕らでも九十パーセント税金に持っていかれる。(後略)」
そして戦後の大立者に、さほど自由なお金がないという事も。
…あれ?今なら高所得者の税率は低く抑えられているので、数寄者的には天国に戻ってる?
切断時点では岩原謙三が入手したもの。
岩原謙三は芝浦製作所の社長。
経路は判らないが東芝から松下が入手したものという事か。
本の出版がまだVHS対βとか言っていた時期なのを考えると感慨深い?かも。