絵巻切断4 信明の章

絵巻追跡の難しさを語る本章。


住友家や野村美術館など、判りやすい所から攻め始めたNHK
しかし、探索の手はすぐに頓挫する。

三十六歌仙を追跡したいですって…!?いくらNHKさんでも、そりゃちょっと難しいんじゃないですか?」
話を切り出した途端、一人の古美術商の口からはそんな反応が返って来た。
「企画としては面白いでしょうが…。第一、それぞれの絵が何億円という財産ですから。誰だって好き好んで名乗り出ないんじゃないですか?税務署の眼がありますから。私だって、本当は何人かの所有者を存じ上げていますが、私からは口が裂けてもお教えできませんですな。“お出入り差し止め”なんてことになるかもしれませんしね。
(後略)

一番知ってそうな人が協力はしてくれないわけである。

そこで文化庁に行き、重要文化財の台帳を参照する。

驚いたことに、三十六歌仙中の最高傑作と誰しもが噂する「斎宮女御」の絵が未指定だったのである。
「私どもとしては、極力調査をして重文指定を取りつけたいのですが、如何せん、所有者本人が承諾しない限り指定はできないものですから…。」
と、文化庁の調査官は嘆いていた。

国宝とか重文とかの指定は勝手にできるものでも無いわけか…。文化庁に見せなきゃ評価もされないって事なのかな?