茶道と香道4 茶道の徳
「茶の湯の徳」に関してはいろいろな本で読むわけですが。
一 猥雑を避け其意志を高尚風雅ならしめ人と交はるに遜譲の禮を知り物毎に過不及なく適度にかなふは斯道の特色なり
一 器物の取扱ひ法を知る故に手足の誤ちなく又物品の善惡意匠の奈何等を知る事茶道にしく物なし
まぁ大抵こんな感じですよね。
でも婦人書だけあって?茶の徳にも微妙なナマナマしさが↓。
一 其身賤しうして貴人を招待すべく又貴館の客ともなるを得るは茶道を知る者にあり
こういうのは身分制から抜け出せてない戦前にはまだまだありそうな話。
一 人を客として饗應すべき義務ある時普通書院の禮を以請待すれば二の膳付にして善美を盡すには多額の金を費さゞるべからず之を茶事として招く時は膳部は定式ありて其外を要せざればいか程十二分に竭すとも書院の一人前位にて五人を饗應し得らるゝは慥に試みて申す也
然して客は其風情と主人の心竭しを賞翫し滿足する物なれば常に客多き家にては經濟の點より見るも得策なり
ナマナマしーよ。
金の節約に茶を使うなよ。
でも正直、ここまで言うなら洋式に接待した方が安いと思うんですよ。
道具が適当でも気軽に成立するんで。
なお、本文の注釈にこうある。
但し其客茶を知らぬ人にては却而迷惑すべし
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