茶道と香道8 店

本書には、「当時のお店」に関する記述がある。

神田明神下綿屋長兵衛といへる炭薪商あり
昔より茶の諸流の炭の寸法を克知り居て常に是を切置俵詰として貯蔵せり
故にハガキを以て何流の炭何俵と注文すれば東京中は奈何遠方にても翌日は必ず持參す甚便利也

神田に茶人向けの炭を売る店があった様だ。
しかもアスクルなみの便利さ。ハガキなのが時代か。

この店現代にはなさそうな感じ。廃業してしまったのだろうか?生活用に炭や薪を売る傍らならともかく、茶の湯炭専業になるのは無理があったんだろうな。

京都押小路御幸町西入に友湖といふ千家出入の袋師に茶巾を賣る東京には日本橋通の堀津にあり

日本橋通の堀津とは、現代の東日本橋に堀津茶舗というのがあるが、それだろうか?
大震災も空襲も乗り越えて現代に残ったのだとしたら大変なものだ。


しかし土田友湖の茶巾か…。めちゃめちゃ高級そう。

それとも、昔は土田友湖は「さほど高級なものではなかった」のだろうか?
そっちの方がありそうな気がする…。