茶道と香道14 免許傳授之事

著者の免許観。

凡免許傳授なる物は何伎に拘はらず古に於ては斯道を重んずるに發りたれど澆季の世唯之を口實として免許の階段を設け其昇進毎に傳受料を取て活計手段とせし物共基は徳川氏の政略公家堂上方の勢力を殺ぐ為に身分不相應薄録と為したれば皆今日を過すに究し種々の内業を營みて僅に細き煙を立

本来免許は徳川家に圧迫された公家の方便だった。

…伝授は室町時代からあった風習なので「徳川家の」は間違いだが、まぁ大筋はそんなに間違ってない気がする。

金を得るは誰も都合のよき事なれば之より世上一般諸藝の師といへば身分貧富に拘はらず免許傳授の金を得るを當然と心得て其道に執心ならぬ者迄も強進めて唯金を貪り取るを目的とする者多し
申楽の觀世茶道の千家の如きは遇分の録を忝うして殆大名の生活をなしながら猶免許傳授に莫大の金を貪りて物には適度あるを省ず

なのに、千家は祿までもらって金持ちだったのに集金に余念がなかった、と大変手厳しい。

一応表千家の先生だった人みたいなんだけど、こんなぶっちゃけを書いて大丈夫だったんだろうか?

あるいはこの人も「自称 表千家」の人だったんだろうか?