茶道と香道16 免許の規則

免許の費用について。

免許の規則 前世界の事也今日に非ず

茶通箱 銀三枚 今の一圓十七錢五厘
唐物點 銀五枚 今の三圓五十錢
臺天目 銀七枚 今の四圓四十錢
盆點 銀十枚 今の五圓三十錢
亂飾 銀五十枚 今の二十三圓
眞臺子 銀百枚 今の四十六圓

この時期だと1円1万円で換算すれば代々いい感じになる筈。

真台子の伝授は50万近い金が必要なのか…。

…。

…。

あれ?安い気がして来た。毒されてるのかなぁ。

免許金は斯の如くと雖も其度毎に免許の器具を師家より受輿ぜらるれば其御禮と披露の茶事を催し宗匠を請招せざるべからず殊に皆傳となる時は師家の家族は勿論千家出入の道具職工迄も夫々に祝儀を遣はし寝日茶事を催して饗應する等容易ならざる費用かゝりて免許料は銀の百枚なるも何くれの實費昔にても百圓は何の苦もなく消費す今にて斯如せば千圓にも登るべき也

しかし、実際には免許料以外にも、祝儀やらなにやらでお金は飛んでいったという…あれ?そんなに構造変わってなくね?
んで千家十職あたりにまで祝儀払ってたのか…。大変。

以上記する處は維新前の事實にして目今にては然る六ヶ敷事をいひては誰も免許傳授を望む者なければ千家も大に悟る處ありて少しく開化し萬つ舊に拘はらず免許料も大にまけて安直になりたると云ふ
然ども總本家不審庵は猶舊式を改めず今も(口+卒)啄齋時代の定通り銀何枚何百疋の稱呼ぶを用ひて其實はたとへば千匹の傳受料に肴料を随意として其人々の身分と志次第にて氣を持たせる事とせりと聞く
藪内は少々異なれりと雖大同小異のみ
此兩家の外は眞の家元に非ざれば心々なるべし

昔はそうだったけど、今はもっと安くなってますよー。でも手心加えてるから結局おんなじなんだけどね。藪内もおんなじ感じ。
この2家以外のは真の家元じゃないからね、好きにすればー。

…。

若干何をいいたいか判らないけど、表千家にとっては、自分ちと藪内以外は視野に入っていなかったという事なんだろうか?

著者は「免状なんて無意味」なんて考えて「伝授物」を公開しちゃう様な人。
今の僕等にはさほどすごい情報に見えないけど、ここで公開された免状の内幕は、もしかすると当時は画期的な公開だったのかもしれない。