畠山記念館 利休と織部 茶人たちの好みと見立て

今回の展示はたぶん、長次郎の赤楽 早船がメイン。

でも私は早船そんなに好きでない。長次郎にある独特の緊張感が足りない気がするから。

しかしこの茶碗の金継ぎは凄い。こなごなに割れたのを継いであるのだが、割った時、持ち主はもんのすごい青ざめたんじゃなかろうか?


割高台茶碗。有名な茶碗だが、生で見るとますますその存在感に驚く。…でもこんな独特の空気を持つ茶碗を茶席に出したら他の取り合わせをどうすればいいのかさっぱり判らん。


薩摩文琳茶入 銘 雪の花。胴の釉が薄い部分が白くなっていて、それが銘の由来なんだろうけれど、下の方の釉薬が欠落していて、そっちの白さの方が目立つ。「雪崩」とでも銘を変えた方がいい気がする。


さて、今回の展示テーマだが、実質は「利休在判と織部焼」という感じ。

だが利休在判は利休ではないし、織部焼織部ではない。
テーマの選定の割に掘り下げが足りない気がする。

「利休と織部」を語りたいならもっと学術的な切口が必要だし、「利休道具」「織部焼」は別々に語った方がいいんじゃなかろうか?