戦争と茶道5 東亜共榮圏と茶道2

昨日の続き。

著者は、日本がこんな素晴らしいのは中国から伝わった茶と米を改良して、心やすらかだから、と説く。

えー?

而してわれ等の偉大なる先人信長や秀吉等が、嘗て同じく戦禍に苦んだ世を安くする為めに行ふた先蹤と同樣、彼等を導くのにまづ權道の茶を以てすることは、皇軍の輝やかしい威武と豊富なる物資との供給によつて、既に代り行はれてゐるのであるから、これからは唯だ實道である侘茶の精神と、茶禮食禮の實行方法とを教ゆれば足ると信ずるのである。

1200年も前に陸羽を生んだ民族を、完全に蛮族扱いし、侘び茶をすれば教化されておとなしくなるんだよ!的な発想が「ほほえましい」。

戦国時代の日本が平和になったのは戦い尽くすほど戦ったからで、茶の湯の効能ではない。また、戦い終って平和になった後より戦っている最中の方が茶が発展していたのだから、少々どころでなく見当違い。

でも、こういう文章書かなかったら、終戦直前の物資不足の中で茶書を出版なんてできなかったんだろうね。