茶道ジャーナリズム60年2 今日庵月報

一番最初の機関誌、今日庵月報の明治四十一年 発刊の辞より。

(略)
茲に未曽有の盛会を揚げて、初祖二百五十回忌を終了したるは、当代の深く感謝する所なり。茲に於てこれを記念に、裏千家の茶事発展を期し、全国各家に於て、各自茶事の催しあるも之を全国一般の社中に知らしむるの機関なく、単に其茶事に招待を受けたる一部の人々に止まらん。
(略)

つまり、宗旦の二百五十回忌で茶の湯が盛り上がったので、それを機会に本を作って情報交換の場にするね、という事だったらしい。

情報交換したい対象は:

  1. 各地茶事情報
  2. 宗家便り

今の淡交とそんなに変わらない。

ただ、実験的な記事もあった様で:

また、月見と題しての理想的な茶事の会記を懸賞募集しているのは面白い。
(中略)
これが厳密に検討され、円能斎が会記批評をつけて、第一等賞から三等賞まで発表されている

この辺になると、今より進歩的かも。というより、家元と読者の距離が今より随分近い気がする。