大阪くらしの今昔館 中井家伝来茶室起こし絵図展

大阪市立住いのミュージアム/大阪くらしの今昔館にて開催されている大工頭中井家に伝わる茶室起こし絵図を中心にした展示。
企画展だけ見るなら300円。お値打ち。

中井家は法隆寺宮大工の家系で、大阪冬の陣大阪城砲撃に協力した大工マスター。

その中井家が精魂込めて調査し残した起こし絵が組み立てられている。

「佐久間将監好 大徳寺塔頭寸松庵ニ有之亭建地割」箒庵が東京へ移築し、関東大震災で焼けた寸松庵。
…中あんなふーになっているのかうむむ。

高台寺 時雨亭建地割」立体として把握すると、こんな構造が本当に利休好みなのかすっごく疑問。

「洛陽建仁寺塔頭正傳院ニ有之織田有楽斎好囲之図」現在犬山にあるものとは躙り口の位置等が違うとあり、過去の状態を知る事ができるのも面白い。

展示の中には待庵と如庵の起こし図を1/1に拡大したものも。
待庵の床が思いの外深い事に気付く。…塗り回しなので写真だと立体感ないもんな。

…でもちょっと待庵は1/1というより、1.3/1ぐらいに拡大しちゃってないかなー。
でか過ぎる気がしてならない。


紙のホゾをどう組み合わせれば立体が成立するのか試行錯誤し、庭石の一つ一つの寸法まで丹念に計測した中井家の執念が伝わって来て正直恐いくらいだ。

現存しない茶室を立体として把握できる、非常に勉強になり面白い展示だった。