茶道聖典5 藪内紹知宛の傳書

藪内紹知宛の伝書は2通から成る。

一通は天正8年十二月 宗易(花押)。藪内紹知老宛。妙法院蔵。
一通は天正9年九月下旬 宗易(判)。紹知老宛。

まずこの藪内紹知とは誰なのだろうか?
藪内流の剣仲紹智の事とは思えない。

58歳の利休が、44歳の紹智を紹知老呼ばわりするのだろうか?という疑問と、

一通目の内容:

(茶點つるには先づ)柄杓を下に置き、はやく茶筌を取つてふるべし
ふり終りて、亭主膝を直し、客の所へ出す。

とてもじゃないが紹鴎の弟子だった人に教える内容ではないからだ。

二通目の内容は、佐分宗二、野村宗覺宛の伝書の台子部分とほとんど同じ内容。

一、茶の湯は臺子根本也。臺子を略して風爐の茶湯、風爐を略してゐろりになる。

紹鴎の弟子が、北向道陳の弟子から教わる様な内容ではないのではなかろうか?