茶道聖典9 木村常陸介宛の傳書

菊月十五日 利休 の奥書きのある伝書。


内容は、まずちょっと精神論。

一、茶ノ湯ノ道に定る事はなし。
一、昨日は今日をくやみ、朝は夕を後悔する事、尤に候
一、時宜は時によろしと書候、其時の能キ樣子が茶湯にて候。
一、初心なる時は、巧者の仕たる事を習ひ定め候て能ク候。當分は合點ニ不落共、後には其事を吉シと可思

そして茶会の手順。あと釣棚や袋棚の置き合わせの話。

疑問としては

一、先、路次へ入て樹木など少シ見候て、雪隠手水所など見候て、晝の會には手水使ヒ候も能ク候。

朝会中心であった利休の時代に昼の会がどれほどあったか。

一、灰の事は、仕候はでは合點參ル間敷ク候

利休の頃に灰形を整えていた形跡は、少なくとも私にはみつかっていない。

この辺がちょっと怪しいかな〜。