茶道聖典11 臺子の傳書
徳島、一新宗紫氏蔵の伝書。
先づ茶筅を置き、勝手に持出してなほし置き、扨上の天目を持ち、かりに長盆の外に置きて、茶入を長盆の眞中へなほし、兩の手にて下へおろし、その次に天目、臺を持ちおろし、長盆の脇につけ置き、扨茶入も前へおろし、長盆をふくさでふき、其後茶入袋取り臺子の釜の方の上へあげ、扨茶入を長盆に置く也。
で始まる伝書。
短い伝書なのでこの部分だけで本文の1/4ぐらい。
この後にはこういう文章もある。
一、柄杓立に、さし入るる物なり。
一、三ツ組と有る次第、茶入、臺天目、茶筅置、是を云ふ也(「トアル」トハ、ト云フト同ジ事」
さらにこの後七つ飾りの話になるのだが。
…これって「野村宗覺宛の傳書」の劣化コピーじゃなかろうか?
該当する部分を載せる。
一、茶立つる次第、まづ、茶筅臺を右上座、左上座より我勝手の脇に置き、扨ふくさを懐に入れ、長盆を兩の手にて持つておろし、
一、柄杓も、しきじゃう(式正)の時は、度々に柄杓立にさし入るゝ物也。
一、三ツ組といふは、茶入、臺天目、臺茶筅、是三ツ盆にのせる也。
「野村宗覺宛の傳書」も「臺子の傳書」も利休の真筆だとしたら、「臺子の傳書」を書いた時はそうとうあせってたのかかなり端折った記述にしちゃったって感じだよね。