茶の湯のしるべ9 濃茶の作法

本書の濃茶作法に、他の流派では見ない流れがあったので紹介する。

一口喫みました時に、主人から「誠に不加減でございます」との挨拶がありますから、これをうけて、三口半續いて喫み、右の拇指を外方に、人差指を内らにして喫口を拭ひ、指は懐紙で拭つて、茶碗を右に廻し、喫口を右に直しまして両手で持つて二客に渡し、一禮してから主人に向つて、「服加減にございます」との旨を賞めるのです。

通常であれば

ゴクリ
「お服加減はいかがでしょうか」
「結構なお点前で」
ゴクゴク

みたいな流れだが、

ゴクリ
「誠に不加減でございます」
無言でゴクゴク
次の客に渡してから
「服加減にございます」

なのか。
正客が無言で飲み続けるというのは緊張感高まりそう。

本書はいったいどういう流儀に従った著者が書いたのか実はよくわからない。
どこにも書いてないから。でもこういう特徴的な流れの流派、あるのだろうか?


あと薄茶ならともかく、飲み口を指先で拭う程度で次客に渡すってのはどうなんだろう?
茶巾や懐紙を取り出すよりもある意味スマートだが、綺麗にはならないんだろうね。