寸松庵色紙の習い方2 古筆切に表れたる散し書
著者による散らし書きの分類。
第一種
この主に屬せしめたるものは、散し書といふ特別な表現形式を採用して全體の美の構成に重要な役割を持たしめて居ないもの。
即ち夫々の帖或は巻子の最後に於て歌の一種又は一、二行を分行としたもの。
全体のうち、ほんのちょっとだけ散らし書きになっているのが第一種。
第二種
料紙の配色の都合により散し書と見らるゝ形式を加味してあるもの。
美的な設計の為ではなく、継ぎ目などの都合で散らし書きになっているもの。
第三種
全巻の各所に、美的表現の重要なる要素として散し書を採つて書き入れたるもの。
あきらかに美的な設計を以って一部を散らし書きにしているもの。
第四種
原形は兎に角として、現在の姿よりみて、明に書を以て完成してゐるもの。
散らし書きを大前提に全体が構成されているもの。
寸松庵色紙は第四種。
しかし佐竹三十六歌仙は第二種だという。ま、あっちは絵の方がメインだもんなぁ。
公家の短冊で、料紙が継ぎ紙で、きれいに散らし書きされているのはどれに分類されるのだろうか?
二種か四種か悩ましい気がする。