茶道爐邊夜話9 有産階級/中産階級/無産階級の茶の湯
「有産階級の茶の湯」より:
珠光や利休でさえ、後世世に誇る高價な茶器を所有して居るのを見ても明らかなるが如く、茶の湯は上流階級に依つて發達して來たものであるから、本當の茶は、理論上は誰でも出來るかも知れないが、事實富有階級でなくては出來ないと思はれる。
結局、現在の中産階級の人は、茶の手前の方法は或る程度稽古することは可能ではあるが、一通の茶法を稽古し、餘り恥をかゝないやうにするには金の問題になつて來る。
その結果が、現在の花嫁學校を生むに至つた主なる原因であると思はれる。
そして更には自ら釜を掛けて茶事を催すとなると、色んな道具や設備を必要とするから、中産階級で茶の湯を樂しむのは不可能といふ所に落ちる。
「無産階級の茶の湯」より:
昔から無産階級の人も茶の湯を樂しめる例として、丿貫が有合の道具を使つて平氣で茶事を催したのを舉げるが、その丿貫でさえ、成程高價なものは所有しなかつたのは事實であるが、茶の湯を催すに必要な一通の道具を揃えて居たのは、其の會記を見れば、一目瞭然の事實であるから、この稀な例を以て現代の無産階級に當て嵌めるのは、當を得たことではないと思ふ。
もうやめて!とっくになにがし庵のライフはゼロよ!